「やっぱり勉強ができるようになるには、
小さいうちから塾とか通ったほうがいいんだよねぇ。。。」
こういう悩みをお持ちの方、いらっしゃるかもしれません。
でも、これは半分正しくて、半分間違っている、と言えるでしょう。
現代では多くの研究論文があります。
それをもとに、この悩みの解決方法を探っていきましょう。
この記事は…
・プレママ、プレパパ
・小さな子どもをお持ちの方
・将来子どもを持ちたい方
に役立つ記事です。
もくじ
勉強ができるようにするために、運動習慣をつけるべき
まず結論からいきましょう。
勉強ができるようになるには、「運動習慣をつける」ことが有効です。
小学校や中学校の時に、
運動も勉強もできる!というスターが学年に数人いませんでしたか?
ひょっとしたらあれには、
運動習慣が勉強能力を高める、という因果関係に基づいていたのかもしれません。
運動が能力を高める科学的根拠
1.脳の仕組み
運動と勉強の関係について、
「なんとなく良さそうだけど…(^◇^;)」と思っていた人も
いると思いますが
脳科学者の西剛志氏によると…
私達は運動すると、脳内の神経繊維の『ミエリン』という部分が
増えることも分かってきています。ミエリンは神経伝達スピードを
2〜10倍ほど高める役割があるため、運動すればするほど、
特定部分の運動を司る情報の処理能力が早くなります「脳科学的に正しい 一流の子育てQ&A」(西剛志 著)より抜粋
実際の脳の働きとして、処理能力が上がることがわかっているんですね☆
2.小さな頃に運動させる
運動の習慣は、一朝一夕にできるモノではありません。
そもそも習慣化するには「運動が気持ちい〜〜(●´ω`●)」という
感覚を持っていないといけないですよね☆
「速効!5分で伸びる 子どもの走り方トレーニング」の著者・木村匡宏さんによると
人間の脳の大脳辺縁系では「(運動を)やりたい・(運動が)楽しい」などの
意欲や感情が関係しているそうです。
また「(運動して)気持ちいい・スッキリした」といった感覚も関係しています。
小学校に入る頃までの間に
「運動すると気持ちいい!やりたい!スッキリする!」という
ポジティブな感情を体験させ、脳にきっちりと記憶させることが大切ですね♪
(関連記事「子どもを運動好きにする?週末アスレチックがオススメな理由」)
3.運動量より“習慣”が大切
ここで大切なのは「どれだけ運動してきたか?」ではなく
「運動する習慣が身についているか?」です。
小さいうちにどれだけハードな運動をして身体を鍛えていても、
大きくなって運動が嫌いになってしまったら本末転倒です(^^;
以前紹介した記事
「子どもの記憶力を高める方法3選をご紹介〜「脳科学的に正しい一流の子育てQ&A」より〜」
の中でも、
軽い運動を10分するだけでも記憶力が高まるという研究結果がある、
と書きました。
運動の量やハードさではなく、
継続的に“やりたい!”と思えるような環境作りが大切ですね☆
注意点・補足
1.運動の種類
ただ“運動”といってもなんでもいいわけではありませんd( ̄  ̄)
西氏によれば…
子供の文章を読む能力と算数の成績については、
ジョギングやサイクリング、水泳などの長時間継続して運動できる
能力(有酸素運動の能力)に比例していることも分かってきています。
ここで面白いのは、学習能力と筋力(筋肉の量)にはほとんど
関係がなかった点です。「脳科学的に正しい 一流の子育てQ&A」(西剛志 著)より抜粋
単純な筋肉トレーニングや、短距離走など、
一気に力を爆発させるような運動は
学力の高さには関係がなさそうです。
いわゆる「有酸素運動」がやっぱりいいみたいですね♪
学力も上がって、
身体も健康になって、
気持ちもスッキリする。
いいことづくめですね( ^ω^ )
2.外で運動すると近視になりにくい
運動する場所によっては、別の効果もあるようです。
西氏によれば
オーストラリア人とシンガポール人を対象にした調査で、
父親・母親のいずれかの70%は近視だったそうですが、
その子どもには大きな違いがありました。
【近視の割合】
シンガポール人のこども → 29.1%
オーストラリア人のこども → 3.3%
その違いが「外で遊ぶ時間の長さ」であることが分かってきました。
オーストラリアの子供は1週間に平均14時間外で過ごしていたのですが、
シンガポールはわずか3時間しか外で遊んでいなかったのです。
外で遊ぶ内容は関係ないようで、とにかく外にいる時間が長い子供は
近視にならないケースが多いことがわかってきています。「脳科学的に正しい 一流の子育てQ&A」(西剛志 著)より抜粋
また太陽を浴びるほど、
リラックスの脳内ホルモンを生み出す
セロトニン神経が活性化されるため、
情緒が安定した子供になりやすいことも分かっています。
昔の偉人も「運動は良い」と説いていた
「まず獣身を成して而して後に人心を養う」
という言葉をあなたはご存知ですか?
これはかの福沢諭吉が残した言葉です。
斎藤孝氏の解説によれば、
「これは、人は何と言っても動物なのだから、
まずは獣のような身体をしっかりと作って
そのあとに人としての心を養っていきましょうという意味です。
ですから、小さいころは子どもは動物なのだと覚悟して、
7、8歳までは遊ばせ、エネルギーがついたところで
勉強をさせろということです。」(テレビ静岡HP「テレビ寺子屋」より)
子どもにしっかりと運動をさせ、
身体をきちんと鍛えておくことは大切だと
福沢諭吉も考えていたんですね。
(関連note「まず獣身を成して而して後に人心を養う」)
まとめ
✅学力を上げるために運動習慣をつける理由を脳科学視点から解説
✅運動は脳の処理能力を向上させる効果がある
✅小さな頃に運動させ、運動が気持ちいい!という感覚をつけると良い
✅運動量よりも“習慣化”が大切
✅有酸素運動が特に効果あり
✅外で運動すると近視になりにくく、情緒が安定した子に育つ
いかがでしたか?
寒くなってきてなかな外で遊ぶの億劫になる季節ですが、
少し気合を入れて、子どもと外で遊んでみましょう。
数えてみると、子どもと外で一緒に遊ぶ機会も
実はそれほど多くはありませんからね^_^;
何かに参考になれば幸いです。
(参考文献)